triggerhappysundaymorning

ガソリンスタンドに住みたい

不謹慎

赤いプルトニウム」というお笑いの人が「赤プル」に改名したと言うどうでも良い話を受けてそう言えば昔のバンドなんて不謹慎だらけだったよね,なんて思い浮かべようとしたのだが案外思い浮かばない.不謹慎な人達は色々思い浮かぶのだがバンド名辺りだと放射能関係は「原爆オナニーズ」位しかひり出せない.そんな事思い巡らしていたら急に「ゲンキ力爆弾」って脳に浮かんできた.



メルトダウンしてるんだかしてないんだかの今は勿論,平成の世ならこのタイトルだけで発禁にされかねないよねー(´・ω・`)とか思うのだけれども,当時問題になったという覚えがない.種ともこは「ないしょラブコール」って曲が気になって「いっしょに,ね」と言うアルバムを買った記憶があるのでそれなりに気にしていた筈なのだが.世界はその頃に較べてずいぶんと狭量になってしまったのだなあと独りごち.


wikipediaで調べるとこの曲は1989年に発表されているが,コレはチェルノブイリの3年後.何となくチェルノブイリよりも前だった気がしていたんですがそうですか.て事は完全にこのタイトルはあの事故を受けての確信犯だよなあ.楽曲自体は今こそ届けたい超名曲.


チェルノブイリ後の終末感てのが確かにあったのだけれども,この感覚は個人的には史上二回目.初回はウォッチメンでも描かれていた1970年代辺りの冷戦下のいつ原爆戦が起きてもおかしくない,そんな殺伐とした時代にひしひし感じてた憶えがある.ルースターズの「C.M.C」とかがその位だっけ?と思ったらこれは1983年なんで全然関係なかった.


チェルノブイリ後の80年代後期には,ポリティカルに傾倒してた佐野元春の「警告どおり計画どおり」(1988)や,レプリカのデビューアルバム「Tough & Free」に収録のタイトルそのまんま「APRIL 26th」(1988)とか,Theピーズの2枚同時発売デビューアルバムの片割れ「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」に収録された「世紀末のうた」(1989)とか,どうしてこれ程ダメージ受けてた筈の日本がナイーブさに死にかけてなかったんだろうと思ったが,バブル景気の躁病に救われて切り抜けられたのかしら.


個人的には全然恩恵受けずにバイトとプー太郎に明け暮れて鬱鬱してるかやけっぱちの馬鹿騒ぎだった覚えしかもう脳味噌に残ってませんなあ.まあピーズのは元々のタイトルが「エイズ」だった筈なのでまた別の閉塞感なんだけど.でもまあ「♪チェルノブイリだの核だのなんだの」って歌詞に固有名詞が登場するからね.


そしてこの頃の躁鬱行ったり来たりをもっとも深く表現したアルバムがいとうせいこうの「MASS/AGE」.中でも「噂だけの世紀末」は本当にあの頃の僕の感じていた世界の空気を象徴していて,今聴いてもその気分に戻る事が出来る.僕はこの時期から10年間の楽曲で構成されているのだなあと今更ながらに気付かされた.そしてその当時の前後の記憶が相当に錯誤していてリアル筒井康隆の「昔はよかったなあ」だわ.どうしよう.


1900年代最後の10年間は期待した程世紀末感無くって皆拍子抜けしたけれども,ミレニアムから10年超えてようやく遅れてきた世紀末をちょびっとだけ感じるシーベルトだのベクレルだの.